暑すぎる夏がすぎ、あっという間に涼しい秋となりました。空を見上げれば雲が悠々と天上にたなびき、日光の山々を見るとうっすら雪をかぶりだしてきました。境内の木々もすっかり秋の装いです。先日、境内の庭に出ると金木犀の香りが漂っていました。その香りは香しく、心を穏やかにしてくれるものでした。
碧巌録という書物に「體露金風(たいろきんぷう)」という言葉があります。「何もかも秋景色を表し、秋そのままの様相がさとりそのものの姿である」という意味です。金木犀は誰に教えられずとも秋の景色を彩り、行きかう人々に秋を知らしめてくれます。そんな自然の営みのお陰様で秋の景色を楽しむ日常を過ごすことが出来ます。改めて何気ない自然の営みに感謝し良い一日をお過ごしください。(住職)